579 :鬼女日記 2013/11/18(月) 20:29:25 ID:y8t+u1Th
自分というよりは父の修羅場。
幼少時、自分の火悪戯で火事を出した。
調度両親ともに仕事で出ている時。(母は内職の定期集合作業だったらしい)
仏壇の蝋燭で暗い所を探検しようとして、外して立て掛けてあった襖に引火。
仏間は二階で、一階からジョウロで水を運んで消そうとしたが、間に合うはずもなく。
そこからは覚えていないのだが、隣家のお兄さんが気が付いて救出してくれ、消防に通報。
家は半焼した。

記憶は飛んで、ご近所の人が古着や何かを集めて寄付してくれたりする中、私は呆然と周りを見ていた。
やがて鎮火すると、父は私を玄関まで連れて行き、ただ一言、
「自分がやった事をよく見て置きなさい。」
と言われた。
玄関の正面にあった階段の向こうにポッカリと空が見えたのを鮮明に覚えている。
それ以上、怒られたり叱られたりした記憶は一切ない。
ただその一言だった。

父は朝早く夜遅い職人仕事を辞めた。
親方の信頼も厚く、将来有望だったが、キッパリとやめて、家族で過ごす時間最優先の仕事に転職した。

大人になってからこの時の話をしたら、
「子供がやった事は親の責任だ。お前を叱ったからって何になる。」
と言われた。

もう一つ、余り鮮明でない幼少時の記憶にある、本家の仏壇の前で号泣する父の姿。
住まいを失い、転職するための準備に追われる中、親戚に預かってもらう為に私を連れて行った時に、責められたのだそうだ。
両親は反対を押し切って駆け落ち同然に一緒になっていたから、余計だっただろう。
そして、悔しくて悔しくて、お祖父さんお祖母さん(父の父母)の前で泣いたのだそうだ。
父が泣いている姿は、後にも先にもこれしか見ていない。