618 :鬼女日記 2016/02/09(火) 18:43:51 ID:hBN
母親がスナックのママだったこと
母は私が赤ん坊に父と離婚したので、その後は私と祖父母と母で暮らしていた
私が物心つく頃には母は『食堂』で働いていると説明していた
夕方にバスで家を出て、深夜私が眠ったあとタクシーで帰宅する、そんな生活だった
でも寂しくはなかった
夜は祖父母と時代劇を見て祖母と一緒に寝て、
朝には母が私より早く起きて洋風の豪華な朝ごはんを作ってくれて皆で食卓を囲んだ
たいていは夕食も母が作り置きしてくれたおかずが並んで
ルーを使わずに作るビーフシチューとポテトサラダが特に美味しかった
食堂勤めだから料理もうまいのかなって思ってた
母が毎日使うタクシーも高くない乗り物だと勘違いしてた
今考えると毎晩4~5000円分は乗ってたはずだから結構な額なのに
小学校高学年になると母は『実は食堂ではなく居酒屋の厨房で働いてる』と説明した
煙草やお酒の匂いがわかるようになった私に不審がられないようそう言ったのだと思う
中学から私立の女子校に通った
ママって結構お金持ち??と冗談ぽく聞くとお婆ちゃんたちの年金だよと母は答えた
大学は学外進学して一人暮らしをはじめた
家賃と生活費を仕送りしてくれて、バイトは必要なかった
その頃、家も新築した
私ももう子どもじゃないので、この金銭的余裕はなんだ?と思い始めた
実は父が養育費を払ってくれているとか?と考え
母の心情を思って、母から話すまで聞かないでおこうと決めた
就職は地元にした
同期の皆で飲み会をしようということになり
私はケータイで「居酒屋 料理 美味しい ○○駅」と検索した
まだグルメ情報サイトみたいなのに網羅性が無い時代で
引っかかったのは個人のブログだった
「おふくろの味が染みる下町のスナック ママのトークとポテトサラダが絶品!」みたいな文が目にとまり
同期との飲み会で行く店では無いけれど、何故か興味をひかれてそのページを開いた
うちの母のポテトサラダは独特の材料なのだけど、そのブログで紹介されているものと全く同じだった
そして、そのスナックのママが"ショートカットの親しみやすい美人ママ!"と紹介されていたことも気になった
うちの母はショートカットで化粧っ気がないけれど、よく美人だと褒められるからだ
それだけだけど、もう確信した これうちのママのことだ!と